この記事では落ちものパズル系ゲームに物理演算要素を加えた「Tricky Towers」をレビューします。
ただのテトリスと思いきや積み上げたブロックがどんどん崩壊して大パニック!
危うい動きをするブロックを積み上げることにいつの間にか熱中していて、ちょっとしたきっかけが原因で崩れゆくブロックたちを見て叫んでしまうことでしょう。
ゲーム概要
どんなゲーム
Tricky Towersはどんなゲームかを一言で表すと、「テトリス」や「ぷよぷよ」のような落ち物系パズルゲームに物理演算要素を加えたハチャメチャなゲームというイメージです。
基本的にブロックを下から上に積み上げていくという点はどのゲームルールでも共通しているものの、物理演算の影響でブロックが揺れ動くのでなかなか思い通りにはいきません。
落ちてくるブロックの形こそテトリスで見慣れたものですが、求められる技術はいかに隙間無く敷き詰めるかではなく、いかに重みのかかる部分を支えてバランスよく配置するか。
これくらいなら大丈夫だろう…と積み上げたブロックが後半になって崩壊しそうになったとき、このゲームの絶妙なハラハラ感に興奮を覚えるはずです。
プラットフォーム
現在対応しているプラットフォームは以下のとおりで、主要なゲーム機すべてに販売しています。
残念ながらクロスプレイには対応していないので、たとえばPCとPSのプレイヤーで一緒に戦うということはできません。
Steamでプレイする場合は「Remote Play Together」の機能が使えるので、とりあえず1人がゲームを購入すればオンライン経由でフレンドを招待してローカルマルチプレイとして一緒に遊んでみるということができます。
Remote Play Togetherの際にキーボード&マウスを操作できるプレイヤーは1人だけなので、その他のプレイヤーはコントローラーを持っている必要がある点に注意が必要です。
プレイ人数
プレイ人数は1~4人です。
ローカルマルチプレイとオンラインマルチプレイの両方に対応しています。
ローカルとオンラインの野良プレイヤーを混合することはできませんが、SteamのRemote Play Together経由であればローカルモードのなかでオンライン上のフレンドを招待することができます。
自分1人だけで敵AIと戦う「ぷよぷよ」のようなシングルプレイモードは存在しませんが、50ステージ分のトライアルステージがシングル向けに用意されており、その他にエンドレスモードもあるので1人だけでも遊べます。
とはいえ、やはりこのゲームでメインとして面白く遊べるのは対人戦になると思います。
プレイ人口(1日の同時接続数)は多少の上下はあっても百人前後しかおらず、野良でのクイックマッチは5分程度待ってもマッチングしないほどです。
そのため基本的にはフレンドなどに声をかけて一緒に遊ぶ前提でこのゲームを購入することをおすすめします。
2人だけでも十分楽しく遊べますが、人が多いほどカオスさが増してより楽しくなります。
操作方法
キーボード、コントローラーのどちらでも操作可能です。
ぷよぷよやテトリスのような一般的な落ち物パズル系ゲームと同様の操作感なので、基本的にはコントローラーを使用したほうが操作しやすいと思いますが、キーボードでもプレイできます。
キーボードはキーバインドで操作しやすいようにキー設定が可能なので、キーボードでの操作感に不満がなければコントローラーが1つしかなくても2人でプレイすることもできます。
ファイルサイズ
インストール時のファイルサイズは283.89MBです。
2Dっぽい見た目の割には容量が大きめな印象ではありますが、数十GBを余裕で超えるゲームの多い時代のなかではとても軽いほうなので気軽にインストールしておけます。
ゲームの流れ
モード選択
ゲーム起動直後に以下の3つからプレイするモードを選択します。
- ローカルバトル
- オンラインバトル
- シングルプレイモード
名前のとおりですが「ローカルバトル」がローカルマルチプレイ用のモードで、「オンラインバトル」がオンラインマルチプレイ用のモード、「シングルプレイモード」は1人でプレイする用のモードです。
シングルプレイモードには3種のルールをベースにパズルのように出題された課題をクリアしていく「トライアル」が50ステージ分と、ゲームオーバーになるまでひたすら遊べる「エンドレス」が用意されています。
一応メインコンテンツは対人戦であるローカルバトルとオンラインバトルがだと思うので、今回はオンラインバトルの流れを説明します。
キャラクター選択、マッチング条件選択
オンラインバトルの画面を開いたら、自分の使うキャラクターとブロックのデザインを選択します。
キャラクターやブロックのデザインはあくまで見た目が変わるだけで、性能差はないので好みで選んで問題ありません。
次にマッチング条件を選択しますが、以下3つの種類があります。
- オンラインカップを探す
- マッチを検索
- 友達を招待
「オンラインカップを探す」は1マッチ(試合)ごとに順位によって点数が付与され、先に規定点数に到達した人が優勝となるモード、「マッチを検索」は1回の試合で決着をつけるモードで自動的にマッチングが開始されます。
とはいえ前述のとおり野良プレイヤーとマッチングすることは滅多にないので、Steam上のフレンドと一緒にプレイするため「友達を招待」を選択します。
ルール選択
ゲームルールを以下3つから選択するかランダムを選びます。
- レース
- サバイバル
- パズル
「レース」はブロックを積み上げていって上空にあるゴールラインに先に到達した人が勝ちというルール、「サバイバル」はブロックを土台から落とさないように積み上げ続けるというルール、「パズル」は一定のラインを超えないようにブロックを敷き詰めて積むというルールです。
次に難易度を以下3つから選択するかランダムを選びます。
- イージー
- ノーマル
- スペシャル
難易度によって落ちてくるブロックの速度が変わるほか、イージーでは対戦相手を邪魔する闇の魔法が使えないように配慮されていたり、スペシャルではゲームルールごとに特殊な形で難易度上昇がされていて例えばレースでは常に横なぎの風が吹くようになっています。
最後にゲームの勝利条件を以下の4つから選択します。
- シングルマッチ
- 小型カップ(6点先取)
- 大型カップ(12点先取)
- スーパーカップ(18点先取)
「シングルマッチ」は1回のプレイごとに決着をつけるシンプルなもので、「カップ」では1マッチごとに順位によって1位は3点で2位は2点というように点数がつき、プレイを繰り返して先に規定の点数に到達した人が優勝となります。
友達を招待
ここでSteamオーバーレイが表示されるので、オンラインのフレンドを招待してそれぞれの準備ができたらゲームスタートをします。
ゲームスタート
画像は「レース」のゲームルールを選択した場合の対戦画面です。
画面上部からテトリスのような形のブロックが順番に降りてくるので、向きを変えたりしながら土台にうまく積み上げていき、いかに速く上空にあるゴールラインに到達できるかを競います。
ただブロックを積み上げるだけなら簡単と思われるかもしれませんが、ブロックには物理演算が適用されているのですでに置き終わったブロックが揺れ動いたり斜めに重なったりするなど、テトリスではあり得ない光景が当たり前に発生します。
積み方のバランスが悪いと簡単に崩壊してしまううえ、一定距離到達ごとに使用可能になる魔法で自分を有利にしたり相手を妨害したりすることもできるので、そう簡単にはゴールにたどりつけません。
決着
積み上げたブロックがゴールラインに接触して3秒間安定していたら勝利が確定し、1マッチが完了します。
「シングルマッチ」であれば1回の対戦でいったん1ゲームが終わり(再戦するかを選べます)、「カップ」形式であれば獲得点数での決着がつくまで次のマッチでの対戦を繰り返します。
データのセーブ
データのセーブは意識することなく自動で行われます。
特にキャラクターの成長要素などは無く、オンライン上でのスコアランキングで成績が記録される程度です。
プレイ時間
基本的に1マッチは数分程度で終わると思いますが、カップ形式では複数回のマッチを繰り返すことになるので長く遊ぶこともできます。
ここが面白い
物理演算で揺れるブロック
なんと言ってもこのゲームの面白さを際立てる一番の特徴はブロックに物理演算が適用されていることで、普通のテトリスだと思ってブロックを積み上げていくと重みで傾いて簡単に崩壊してしまうところです。
このゲームを上手く攻略するためにはブロックの形をよく見てテコの原理がどこに働くのかを考え、ブロックの切れ目を意識してふさぐように積み上げるという普通の落ち物系パズルゲームにはない思考力が必要になります。
物理演算というのは非常に繊細なもので、頭ではわかっていてもちょっと油断したブロックの操作が原因で積み上げたブロックが大量に崩壊したときには笑うしかありません。
対戦する以上は相手よりも速くブロックを積み上げる必要がありますが、焦れば焦るほどブロックが崩壊するリスクが上がるという良いバランスになっています。
ブロックの操作にはテトリスのような回転や下への移動以外に横につつくようなアクションができ、うまく使えばブロックの配置を微調整することもできますが使い所を間違えると逆に崩壊を招くことも。
光の魔法、闇の魔法
レース、サバイバルでは一定の距離を進むごとに魔法の使用権を得ることができます。
魔法には自分を有利する「光の魔法」と対戦相手を妨害する「闇の魔法」の2種類があるのですが、どちらを使うか選ぶ必要があり1回使うと消費されて次の到達点まで使用できません。
これによって魔法をいつ使うべきかだけでなく、どちらの魔法を選択するかという戦略性があり面白さの幅が広がっています。
たとえば光の魔法には現在のブロックに触れたブロックをつなぎ合わせるというものや、直前に置いたブロックを消すものなどがあり、闇の魔法には相手が操作中のブロックを巨大化して重くしたり、勝手に回転するようにするものなどがあります。
ただでさえ危うい物理演算に突発的な魔法が上手く絡んでハプニングが絶えないので、常にスリリングな面白さがあります。
良いところ
このゲームの良いところは、とにかくルールが直感的にわかりやすく誰でもすぐにプレイできるところです。
どのゲームルールを選んだ場合でもバランス良くブロックを積み上げるという基本は共通していて、あとはプレイしてみればわかるくらいシンプルなので覚えなくてはいけないことがほとんどありません。
マルチプレイをする際に細かいことを説明する必要がないのでフレンドを誘いやすいゲームと言えます。
とにかく気軽に遊びやすく、対戦相手がいない場合でもシングルプレイモードのエンドレスで一人ひたすら遊ぶこともできるのも良いです。
気になるところ
シングルプレイ用のモードがあるとはいえ「ぷよぷよ」のようなシンプルな対AIの対戦ができないのは残念です。
Steamワークショップなどには対応していないので土台部分を好きな形にしたりはできませんが、デフォルトの状態でもある程度のランダム性があるので細かいカスタマイズ機能は無くてもあまり気になりません。
どんな人におすすめ?
Tricky Towersは以下のような人にオススメなゲームです。
- 一緒に遊ぶフレンドや家族がいる
- 一人でじっくり遊び続けたい
- 誰でも簡単に遊べるカジュアルさが欲しい
- 短時間で気軽に遊びたい
- みんなでワイワイ爆笑したい
ゲームルールが直感的にわかりやすく1プレイにかかる時間も短いので、シングルでもマルチでもとにかく気軽に楽しく遊ぶことができます。
フレンドと一緒にプレイするのにぴったりなゲームで、DiscordなどでVC(ボイスチャット)をつなげているとかなり盛り上がります。
Tricky TowersはSteamから購入可能です。
定価は1,700円と若干高めですが、とりあえずウィッシュリストに追加しておいてセール時に購入すればだいたい500円くらいで安く入手できます。
コメント