この記事ではSteamおよびPCでおすすめしたいハクスラ系アクションRPGの傑作である『Path of Exile(以下、PoE)』についてレビューおよび紹介します。
「トレハンやハクスラが好きなんだけど、Diablo3はもう微妙だしもっと良いゲームないのかな」なんて思っていませんか?
そんなあなたにおすすめしたいのがPoEなんです。
PoEなら時間を忘れてしまうほど熱中できて、これでもかというくらいどっぷりとハクスラの世界に浸ることができますよ!
Diabloも良かったけど・・・
冒頭でもあげましたが、トレハンやハクスラといった要素から思い浮かべるゲームといえばこれまでは伝説的なゲームである「Diablo」をあげる場合が多かったと思います。
実際、私もDiablo2やDiablo3はそれなりに長時間プレイしていました。
Diablo2はプレイできなくはないですが、さすがにもう古すぎます。
Diablo3は初期の頃は理不尽なほどの難易度の高さや、オークションハウスの不具合によるお祭り騒ぎなど色々と話題がありました。
しかし、そもそもDiablo3は敵モンスターの体力を異常なほど高くして難易度の調整をする傾向があり、後期のエンドコンテンツでは少数グループのモンスターでもしぶとく数分かけて戦うのを繰り返す感じになり非常にテンポが悪かったです。
プレイヤーキャラクターのスキルやビルド構築についても、シーズンごとに開発が用意した”セット装備”が極端なバランスになっていて、それに対応したスキルを使わないとビルドが成立しないようなテンプレート感が強いです。
スキル自体に長いクールダウンタイムを伴うものが多かったのも窮屈さを感じた一因な気がします。
なぜわざわざDiabloをDisるようなことを書くのかといえば、PoEではここであげたような不満点が全然なくて「これぞハクスラ」と言いたくなるほどの多様性と爽快感があるからです。
これよりPoEの紹介に移ります。
選べるキャラクターは現状7名
PoEを始める際に選択できるキャラクターは現状7名います。
キャラクターの種類は画像の並びの左から
キャラクター名 | おおまかな特徴 |
---|---|
Templar | パラディン系 |
Shadow | トラップやポイズン系 |
Marauder | バーサーカー系 |
Scion | ハイブリッド系 |
Ranger | アーチャー系 |
Duelist | ナイト系 |
Witch | ウィザード系 |
という風に分かれています。
分かれてはいるのですが、後述する非常に柔軟性あるスキルシステムによって思いも寄らないビルドが構築されていたりするため、キャラクターの選択によって狭い枠にはまってしまう感覚はあまりありません。
キャラクターを選択すると、独特のアクションをしながら前に出てきます。
こういう演出はDiablo2やDiablo3でもあったので、ハクスラプレイヤーとしてはキュンとする瞬間かもしれません。
いずれのキャラクターもいわゆる覚醒クラス的なものが用意されており、タイプの違う3種類の中から選ぶことができます。
ただし、Scionだけはキャラクター自体をゲームプレイによってアンロックする必要があり、覚醒クラスの扱いも若干特殊です。(アンロックは簡単です)
各キャラクター、性別は固定で変更できないのはちょっと残念なところです。
大量のモンスターたちを殲滅!
画像はPoEをプレイ中、少量のモンスターと遭遇しただけのなんでもないシーンです。
PoEでの視点は見下ろし型となっており、描画はリッチな3Dとなっています。
中心部に自分のキャラクターがいて、移動についてはMMORPGなどではキーボードのWASDで移動できることも多いと思いますが、PoEでは基本的にマウスクリックによって行います。
移動をマウスのサイドボタンに設定したりカスタマイズすることはできますし、WASD移動でないからといって特にストレスはありません。
Diabloを知っている方であれば左下に赤い体力ゲージとポーション枠、右下にスキル群と青いマナゲージという構成はなんとなく見慣れたものでしょう。
さて、キャラクターの周りにモンスターが集まってきました。
このくらいの敵の量ならDiabloとも大差ないですよね。
正直、PoEではこの程度の敵の量は少ないほうです。
PoEではマップ上で特殊なモードに切り替わる仕組みがいくつかあって、それによって大量の敵モンスターが襲ってきます。
画像ではまだ密度が少ないくらいで、実際のゲーム中では画面を埋め尽くすほどの敵数となり攻撃方法も多彩かつ苛烈になるので「弾幕ゲーだったっけ?」と笑ってしまうほどです。
それでいてDiablo3のように異常に耐久力の高い敵ばかりということはなくて、PoEではバッタバッタと大量の敵をなぎ倒しながら進行していく爽快感があります。
一部のボスはMMORPGでいうレイドボスのような攻略を考える必要がある場合もありますが、いわゆるファーミング(アイテム収集やレベル上げ)に関してはいかに広範囲を高速に殲滅するかというビルドを意識することが多いです。
大量のアイテムドロップ
モンスターが大量なら、倒した時にドロップするアイテムも大量です。
英語で書かれた黒い長方形のものがドロップしたアイテムたちです。(画像ではわかりづらいですが、ドロップしたアイテム自体も3Dで描画されています)
アイテムドロップについてもこれくらいはまだ序の口で、エンドコンテンツをまわしていると足の踏み場がないどころか画面から表示が溢れてしまうほどのアイテムがドロップすることもあります。
このくらいお宝ザクザク感があったほうがハクスラらしくて良いですよね。
デフォルト状態のままでも悪くはないのですが、上級者になってくるとたとえ有力なアイテムであっても相対的な価値が低ければ「拾う時間がもったいない」となります。
とはいえ大量のアイテムの山から本当に必要なものを選別するのは至難の業ですよね。
なんとPoEでは公式に”Filter”というツールが使えるようになっており、表示するアイテムと表示しないアイテムを予め設定したり、色や表示の仕方、ドロップ音の設定などを細かくカスタマイズすることもできます。
このFilterを使うと、Diablo3でお馴染みの”茶柱”を再現することもできます。
ちなみに有志の方が配布してくださっている優秀なFilterがあり、ダウンロードしてほんの数秒の設定変更をするだけで使うこともできます。
貴重なアイテムほど目立つように表示してくれるので、ゴミに埋もれてしまうストレスがありません。
PoEにはお金が存在しない
大量にドロップしたアイテムたちをインベントリに詰め込んで、自分の隠れ家に帰ってきました。
※PoEでは”Hideout”という自分の隠れ家をカスタマイズするハウジング的な要素まであります。
こういうインベントリ画面ってDiablo好きなら見ただけでワクワクするはず。
拾ってきたアイテムたちを早速NPCに売ってみます。
下の枠に置いたアイテムが自分が売るもので、上の枠に出てきたものがNPCが払ってくれるものです。
なんか変なアイテムが3種類でてきていますよね。
実はPoEのユニークな点の1つに、Goldのようなお金が存在しないという点があります。
じゃあこのアイテムたちは何なのかというと、例えば1つ目のアイテムは「Orb of Alteration」というものです。
このアイテムの効果は「マジックアイテムのランダムプロパティを作り直す(リロールする」というものです。
PoEではこのようなクラフト要素的なアイテムが大量に存在しており、これらを集めて自分だけの最強装備を作り上げていくのも目標の1つです。
※画面に写っているのはほんの一部です。
また、お金が存在しないとはいえ各アイテムの有力度や希少性に応じて価値がある程度決まっておりそれを通貨のようにしてプレイヤー間でのアイテムトレードに使う(支払う)ことができます。
そのためこれらのアイテムはCurrency(カレンシー:通貨)とも呼ばれています。
装備へのクラフトの仕方も多くの方法があります。
たとえば
通常は「ノーマルアイテムをレアアイテムに変化させる」というカレンシーだが、クラフトベンチという装置で4つ同時に消費することでLife最大値増加という能力を狙ってつけることができる
というようなものです。
このようなクラフト方法の種類も大量に用意されているので、良い意味で悩みは尽きません。
斬新なスキルジェムシステム
もう1つ、PoEのユニークな点にスキルジェムのシステムがあります。
PoEではキャラクター自身が技を習得するという仕組はなく、スキルジェムを装備に装着して初めて技を使うことができるようになります。
たとえば画像でインベントリに置いてある緑色のジェムはCycloneというスキルジェムです。
これを鎧などの装備に開いている緑色の穴(ソケット)に装着することで、キャラクターがCycloneというスキルを使うことができるのです。
PoEのCycloneはDiabloでいうBarbarianのWhirlwind(通称WW)です。
でもこれだけじゃありません。
インベントリのCycloneジェムの右にはPulverise Supportというサポートジェムと呼ばれるものも置いてあります。
Pulverise Supportジェムの効果はおもに近接攻撃スキルの範囲ダメージを上げて攻撃範囲を拡張するものです。
このサポートジェムをCycloneのジェムと連携させることで、Cycloneのスキルにその効果を付与することができるのです。
ただし、このジェムは赤い色なので装備側も赤い色の穴でないと装着することができません。
さらにCycloneジェムを装着した穴と、Pulverise Supportジェムを装着した穴は”Link”という仕組みで穴同士が線で連結されていないとサポートジェムの効果を発揮することができません。
さあ訳が分からなくなってきましたね。
イメージとしてはDiablo2にあったルーンワードシステムをより柔軟にした感じです。
装備に用意できる穴の数は部位によって制約があり、付きやすい色の特徴があったり、リンク数を増やす難易度の高さがあったりするので、このあたりもハクスラ勢が燃える要素になっています。
画像では鎧に5つ穴があるうち、2つのジェムを取り出していたので装着し直しました。
5つの穴が線で一筆書きにつながっている(リンクされている)ので、Cyclone1つに対して4つのサポートジェムが接続されている状態です。
リンクは最大で6リンクまで可能なので、1つのスキルジェムでもいろいろなサポートジェムを組み合わせることで無数の拡張性があります。
本来1発しか撃てない呪文を5発一気に発射するようにしたり、その1つ1つが周りの敵にも連鎖するようにしたりです。
画面右下にあるスキルをセットする枠にマウスカーソルを重ねると、サポートジェムの効果を加味したスキル情報を確認することができます。
Cycloneジェム単体では考えられないほどの強化がサポートジェムによって実現されているのが確認できます。
PoEでは実際にスキルを使う際のDPSや追加効果などをゲーム内で簡単に確認することができるのがとても便利です。
ちなみにジェムにもレベルがあり、経験値を得ることで成長させることができます。
無限の可能性パッシブツリー
さらにもう1つ、PoEのユニークな点であるパッシブツリーです。
キャラクターのレベルアップやクエストをクリアすることでポイントを得ることができ、そのポイントを使ってこのパッシブツリーに自分でポイントを振っていくことができます。
それぞれのツリーが攻撃力を強化したり、特殊な能力を付与したりなど多彩な効果を持っています。
スキルジェムの柔軟性に加えて、このパッシブツリーの振り方によってさらに自分のキャラクターの特色が出せるわけです。
FF10をプレイしたことのある方には「スフィア盤」と言うとわかりやすいようです。
というわけでPoEのパッシブツリーはズームアウトするとこんな感じになっています。
これでもまだ全体の1/3くらいしか映っていないので、実際はもっと広いです。
キャラクター選択の項目で述べた覚醒クラス的な要素も、このパッシブツリーの中に用意されており自分で振り方を考える仕組みとなっています。
キャラクターのレベルは最大で100までなので、それまでに得られるポイントをうまくやりくりする必要があります。
恐らくハクスラファンであればこういうツリーを見ると興奮してくるんじゃないでしょうか
逆に「ウワッ・・・難しそう・・・」と思った方でも、Youtubeで有志によるビルドガイド動画なども多数上がっているので最初は真似をしてみるだけでも十分楽しめます。
シーズン要素だけではないリーグシステム
PoEではおおよそ3ヶ月ごとに開催されている期間限定のチャレンジリーグというDiablo3でいうシーズン的なものがあります。
多くのプレイヤーはこの期間限定リーグをメインにプレイしています。
リーグが終わるとキャラクターはSTANDARDリーグという永続リーグに強制的に移動され、また新しい期間限定リーグが始まるという繰り返しです。
期間限定リーグでは、キャラクターが一度でも死んでしまうとSTANDARDリーグに強制移動されてしまうハードコアモードも用意されています。
Diabloにもハードコアモードはあったのでわかりやすいと思いますが、スリルを求める人にはおすすめです。
また、いずれのリーグでも「Solo Self-Found」というチェックを入れると、トレードを禁止して自分でドロップしたアイテムしか使えない縛りモードにすることもできます(通称SSF)
ちなみにPoEのリーグはただ期間限定というだけではなく、必ず新しい特別な戦闘システムや新アイテム、新スキルなど多数の追加要素をともなって実装されます。
つまり約3ヶ月ごとにゲームが大幅にアップグレードされるのです。
多くの場合、追加された要素は次のリーグにも引き継がれるためPoEというゲームは常に成長していき膨大なコンテンツ量になっていくわけです。
また、不定期的ですがリーグとは別にレースという1週間限定リーグのようなミニイベントが開催されることもあります。(特別な報酬アリ)
なんとPoEは基本無料のF2Pゲーム
何度考えても驚いてしまうのですが、なんとPoEは基本無料のF2Pゲームなのです。
つまりアカウントさえあればすぐにプレイすることができます。
しかし、F2Pゲームということは課金要素がもちろんあります。
でも日本のソーシャルゲームのような大金を払った人ほど強くなれるようなものではありません。
PoEの課金要素はおもに倉庫を便利にしたり、装備の見た目変更、スキルエフェクトの変更、ただついてくるだけのペット、隠れ家の装飾などです。
PoEでは最初から広い倉庫が4ページ(タブ)分使えます。(画像左側)
しかしデフォルトの倉庫ではタブ名に数字の連番があるのみで、タブの色を変えたりタブの名前を変えることはできません。
たとえばカレンシータブという課金倉庫を購入すると、カレンシーに特化した倉庫ページが追加され画像のように整理されて非常に使いやすいです。
もちろんカレンシーはデフォルトの倉庫に置くこともできるので、必ずカレンシータブを購入しなくてはいけないわけではありません。
PoEの倉庫の課金要素はあくまでエンドコンテンツをガンガン楽しみたいというプレイヤーであれば導入したほうがより便利になるというものがほとんどです。
つまり初めてプレイする場合や、メインストーリーをクリアするまで程度であれば無料の状態でも何もストレスなくプレイすることができます。
メインストーリークリア程度はまだまだチュートリアルみたいなものですから😆
マルチプレイは6人まで対応
ハクスラは1人で黙々とやる印象もありますが、PoEはなんと6人までパーティを組むことができます。
パーティを組むともちろん敵モンスターの体力が強化されるなどのデメリットもありますが、パーティメンバー同士でバフをかけあったりアイテムドロップが良くなったりするメリットもあります。
基本無料なのでフレンドを誘いやすいのも良いところですね。
おわりに
非常に長い記事となりましたが、これでも紹介できたのはPoEのほんの一部のコンテンツです。
冗談抜きで数千時間単位でプレイできるコンテンツボリュームのあるゲームなので、まだプレイしたことのない方はぜひプレイしてみてください。
日本語言語に対応しておらず基本的に英語表示でのプレイとなるのが人によってはハードルになりそうですが、慣れてしまえばなんとかなります。
というかPoEを楽しく遊びたいがために英語を勉強しようと決心するプレイヤーもいるくらいのゲームだと思います。
ちなみにオンライン接続時のサーバーには日本ゲートウェイが用意されたためラグの心配はありません。
プレイする際は、PoEのSteamページからダウンロードするのがおすすめです。
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