この記事ではローグライク系料理ゲームのPlateUp!をレビューします。
料理がしたい?レストラン経営がしてみたい?
仕事の絶えない大忙しの現場が、あなたの活躍を待っています。
ゲーム概要
どんなゲーム
PlateUp!はどんなゲームかを一言で表すと、ローグライク料理ゲームというイメージです。
今日からあなたはレストランの経営者。
まずは15日間の営業継続を目指して、日夜あくせく働きましょう。
やるべきことは、注文された料理をとにかく速く調理して客席まで配膳すること。
営業日数が伸びるほど客の数や要求も増えていくので、稼いだお金での設備投資は欠かせません。
待たせている客をたった1人でも怒らせてしまったら、それがあなたのレストランを滅ぼすからです。
プラットフォーム
現在対応しているプラットフォームはPCのSteamのみです。
以下の機種には2024年2月15日時点で販売が開始されたようですが、現状は海外向けのみで止まっている模様。
- Xbox One/Series X|S
- PlayStation 4/5
- Nintendo Switch
ただし日本販売向けの代理店が存在しており、2024年発売予定とされています。
他機種間でのクロスプレイについては現状非対応です。
Steamでプレイする場合は「Remote Play Together」の機能が使えるので、とりあえず1人がゲームを購入すればオンライン経由でフレンドを招待してローカルマルチプレイとして一緒に遊んでみるということができます。
プレイ人数
プレイ人数は1~4人までです。
1~2人でも十分楽しく遊ぶことができますが、3~4人いると調理・配膳・皿洗いのような仕事ごとに分担がしやすくなるのでよりカジュアルに遊べると思います。
ローカルマルチプレイとオンラインマルチプレイの両方に対応しており、ローカルとオンラインのプレイヤーを混合することも可能です。
ただし、マルチプレイにはランダムな人とのマッチング機能はないので必ずフレンド等に声をかけて招待をしないと誰かと一緒にプレイすることはできません。
操作方法
キーボードのみでまったく問題なく操作が可能です。
キャラの移動は一般的なWASDで、調理などの操作に使う主なキーはOとPの2つだけです。
OとPというキーを使うのはかなり特殊ですが1度プレイすれば直感的に慣れますし、もし変更したい場合は他のキーやマウスクリックなどに設定し直すことも可能です。
コントローラーにも対応しているので、自分の好みに合わせた操作方法が選択可能です。
ゲームの流れ
レストランのコンセプト決め
まずはロビーとして使うレストラン本部で、これから経営を開始する新しいレストランのコンセプト決めとして以下の要素を選択します。
要素 | 概要 |
---|---|
テーマ | 出店地域など |
フロアプラン | 店内のレイアウト |
メニュー | メインディッシュとなる料理 |
テーマ
テーマは出店地域を選ぶようなものです。
たとえば都会や郊外の2つでは店舗周辺の雰囲気が違う程度ですが、山岳地帯では雪が降ることがあり店外で待つ客の辛抱時間が極端に短くなったりします。
また、期間限定のバレンタインイベントではカップルが入店しやすいというような特殊なテーマもあります。
フロアプラン
フロアプランではレストラン店内のレイアウトを選択します。
レイアウトはランダム生成となっており、店舗自体の広さを始めとして壁やドアなどの位置がそれぞれ違うのでどれを選ぶかによって動線が大きく変わります。
メニュー
メニューでは看板料理となるメインディッシュを選択します。
最初はステーキやサラダのような単純な料理が選択できますが、ゲームを繰り返しプレイしていると色々な料理がアンロックされていきます。
開店準備
PlateUp!ではレストランの営業開始前に開店準備ができます。
開店準備中には調理場では食材の入った冷蔵庫やコンロの位置など、客席ではテーブルの位置や椅子の数などかなり自由に配置変更をすることができます。
提供する料理の種類や調理手順に合わせて器具の配置を変えたりすることで、営業中の動線を最適化することができます。
1人プレイでワンオペなら、カウンター店のようなテーブル配置にするほうが無駄な動きが少なくて済みます。
営業開始
準備が出来たらいよいよレストランを開店して営業開始です!
客がテーブル席についたら、さっそく注文を取って料理をつくって提供しましょう。
PlateUpでの基本的な作業の流れは以下のような感じです。
席についた客から注文を取る
↓
料理する
↓
皿に料理を盛る
↓
客席に配膳する
↓
客が食事した後の皿を回収する
↓
皿洗いをする
これらすべてがプレイヤーの仕事なんです。
それだけではありません。
コンロで火を使えば周りには油汚れが広がりますし、客が食事をするとテーブル席の周りも汚れます。(どんな食べ方をしているんだか…)
これらの汚れはプレイヤーの歩行速度を大幅に遅くするので、床を掃除してキレイにしておく仕事まで増えるのです。
料理だけでも大変なのに、これだけやることが多いのでレストラン内はいつも大忙しでパニックです。
それでも客は以下のような理由で待たせ続けると怒って退店してしまいます。
- 注文を取りに来ない
- 料理が配膳されない
- 自分の料理だけ来ない(グループ客の場合)
- テーブルが満席で座れない
PlateUp!では客を怒らせてしまったレストランは即廃業(ゲームオーバー)となるので、とにかくスピーディに仕事をこなして1日を乗り切りましょう。
設備投資
なんとかすべての客を満足させて1日の仕事が完了すると、その日の給料としてコインが手に入ります。
このコインは次の営業日に向けての設備投資として、ランダムに選ばれた機材(アイテム)などの購入に使うことができます。
アイテムの種類はかなり多く、単純に多くの皿をストックできる皿入れや、速く調理できるが食材が焦げやすいコンロなど悩ましいものもあります。
前述のとおり選ばれるアイテムはランダムなのですが、コインを払って候補をリロール(再抽選)することもできます。
また、このタイミングで店のテーブルや調理場などの配置を再度変更することも可能なので、実際に営業してみて改善の余地があったところは配置変更しておきましょう。
不要なったものは外に出しておけば破棄することができます。
すべての準備が整ったら、第2営業日の始まりです。
15日間の営業継続を目指す
ここまでの流れがPlateUp!での1日であり、ゲームとしての1サイクルになります。
- Step 1開店準備
- Step 2営業開始
- Step 3設備投資
このサイクルを繰り返してなんとか15日間の営業継続を目指すというのがPlateUp!での第一目標になるので、ぜひ頑張って挑戦してみましょう。
まあ、この世界はそんなに甘くないんですけどね…
データのセーブ
営業開始したレストランの進行状況は客が怒ってしまう前であればEscのポーズメニューから途中セーブすることができ、好きなときにその営業日から再開することが可能です。
その他の新レシピ開放など、プレイヤーアカウント自体の進行状況は随時オートセーブされます。
プレイ時間
1つのレストランで15日間営業することまでを1ゲームと考えた場合でも、1時間程度はすぐに経過してしまいます。
1営業日にかかる時間だけで見れば5分程度だと思うので、時間があまりないときは営業日ごとにセーブ中断を活用することができます。
逆に長く遊びたい人にとっては、後述する「時間外労働」や「フランチャイズ」の仕組みを考えると攻略の上手さと体力の続く限りは何時間も遊ぶこともできます。
ここが面白い
レストランの営業開始後はとにかく常に忙しく、ドタバタの中で仕事をこなしてなんとか1日を乗り越えるという絶妙なギリギリ感はシンプルに挑戦しがいがあり面白いです。
特にマルチプレイ時には声に出してオーダーを読み上げたり、調理完了を報告したりすると実際にレストランで働いているかのような感覚と忙しさでより白熱します。
PlateUp!の絵柄は「Overcooked!(オーバークック)」を地味にしただけの劣化版のように見えるかもしれません。
しかしPlateUp!にはローグライク的なランダム性が盛り込まれていて、それを取捨選択して攻略するという戦略性が要求されるところに独特の面白さがあります。
良くも悪くも運に左右されたり、ちょっとした判断ミスが命取りになったり、毎プレイでハプニングが生まれやすいゲームなのでつい「もう1回…」「今度こそクリアするぞ…」と熱くなってしまう中毒性もあります。
アイテムの厳選、配置
取捨選択が必要なタイミングとして一番機会が多いのは、「設備投資」の項目でも触れた購入するアイテムの選択です。
闇雲にアイテムを購入して増やすだけだと、かえって通り道の邪魔になりそれがゲームオーバーの原因になってしまうようなことも。
「次の営業日、この店には何が必要なのか」を毎回よく考えてアイテムを購入したり配置するのが、このゲームの難しさでもあり戦略性の試されるところでもあります。
アイテムについては奥が深く、アイテムを収納したキャビネットと研究デスクを組み合わせてアイテムをアップグレードする仕組みもなどもあります。
究極の選択
最初に選択したメインディッシュの種類によって当然使う食材や調理方法は異なり、効率の良い動線のつくりかたも変わってきます。
しかしPlateUp!での選択は、それだけではありません。
カード
3営業日ごとにある星マークのついた日をクリアすると、「カード」という究極の2択を選択することになります。
カードにはたとえば以下のようなものがあり、必ずどちらかを選択します。
- 開店直後に来店するお客様が増加
- メインメニューにアップルサラダを追加(客の総数は-30%)
客の動向が変化するカードでは作る料理が増えない代わりにちょっとしたミスが命取りになりがちで、料理メニューが増えるカードでは食材や調理工程の管理が複雑化します。
ハッキリ言ってどちらを選んでもレストランが更に忙しくなる場合がほとんどなのですが、次の営業日以降の展開を想定して対応できそうなほうを選択するセンスが問われます。
新メニューが増えるとまったく違う感覚で料理ができるので、最初のうちは失敗など気にせず新しい料理を触ってみるほうが楽しいです。
テーマ決定、模様替え
5営業日のクリア後には「レストランのテーマ決め(地域テーマとは別)」と「デコレーション」、10営業日のクリア後には再度「デコレーション」ができ、ここでも選択が必要になります。
レストランのテーマは店のコンセプトを決めるものであり、以下のような2択がランダムで提示されるのでどちらかを必ず選択します。
- フォーマルな店
- お手軽な店
テーマが決定した後には、アイテムを購入するときと同じコインでテーマに沿ったインテリアを自由に購入・配置してデコレーションすることができます。(床と壁の模様は無料)
デコレーションをすると、店の雰囲気ががらりと変わって新鮮な気持ちになるのでこの日を楽しみにしているプレイヤーも多いと思います。
デコレーションは単なる見た目要素にとどまらず、インテリアにはそれぞれポイント数が設定されており、合計ポイントが3・6・9の区切りごとにレストランに対するバフ効果(お助け能力)が発動します。
このバフ効果はレストランのテーマごとにまったく違うものが設定されており、たとえば「フォーマルな店」でのバフ効果は以下のとおりです。
ポイント数 | バフ効果 | 解説 |
---|---|---|
3 | 汚れが減る | 客席が汚れづらくなる |
6 | 料理を運ぶと忍耐ボーナス | 配膳中は我慢時間が伸びる |
9 | テーブルが散らからない | 客席が汚れなくなる |
前営業日までにアイテムの購入で無駄遣いをしていると、欲しいポイントまでのインテリアが購入できなかったりするので資金の計画的な運用をする戦略性があります。
インテリアにはポイント数がゼロの代わりに1個だけでも客の待ち時間を伸ばしたりするものもあるので、組み合わせて使うこともできます。
良いところ
料理の種類が多い
PlateUp!ではプレイを繰り返すことでアカウントの経験値が貯まっていき、新しいメインメニューの料理が次々とアンロックされていきます。
料理はメインメニューだけでもかなりの種類がありますが、加えてサイドメニューや派生メニューなどもあるので色々な食材や調理方法を楽しむことができます。
メニューによって調理工程や稼げるコインの金額も違うので、アイテム選択や営業日途中のカード選択などと組み合わさることで毎回違うプレイ体験で繰り返し遊ぶことができます。
フロアプランは無限大
フロアプラン(店内レイアウト)は基本的にランダム生成なうえ、マイクラのようなシード値での生成もできます。
同じメニューでもフロアプランを変えれば違った攻略が必要になるので、これも遊びの幅を広げています。
かわいいキャラクター
マヌケな動き
PlateUp!に登場するキャラクターは「Human: Fall Flat」で見たことのあるような、いわゆる棒人間です。
なんかクネクネ・ぐにゃぐにゃしていてマヌケなのですが、皿洗いをしているときの手の動きは特にカワイイのでお見逃しなく。
キャラが急に倒れて歩けなくなるような操作のしづらさは存在しないのでご安心ください。
キャラクター衣装
キャラクターは体の色変更と、衣装として用意された帽子・衣服を自由に組み合わせることができます。
コック帽とエプロンのような割りと真面目なものから、うさ耳のようなふざけたものまで色々あるので楽しく遊ぶことができます。
クリスマスなどのイベントシーズンをモチーフにした衣装が追加されることもあり、客側もそれを着たりするのでまた雰囲気が変わります。
やりこみ要素
時間外労働
見事15日間の営業継続が完了すると、そのレストランを「フランチャイズ」化する権利を獲得すると同時に「時間外労働」という名のエンドレスモード、つまり16営業日以降のプレイを継続することができます。
時間外労働は難易度が飛躍的に上がっていく地獄のような難易度となっており、困難に立ち向かう挑戦がしたいやりこみ勢にはうってつけのコンテンツです。
時間外労働では3営業日のクリアごとに星マークの日と同じように2択のカードを選択していき、ゲームオーバーになるまで客数もカードの数も増えていくばかりです。
時間外労働中にゲームオーバーになってしまってもフランチャイズ化の権利は失わないので、どこまでやれるか挑戦してみてください。
ゲームオーバーになった場合は、
- 選択したフランチャイズカード1枚
- 時間外労働を含めて獲得できたカードから選択した3枚
をフランチャイズ化するレストランのデータとして保存することができます。
選択できるカードは3枚だけなので、時間外労働中にカードを追加で獲得するほど好きな効果を厳選してフランチャイズ化することができるわけです。
フランチャイズ
フランチャイズ化されたレストランは、テーマやカード選択などを引き継いだ状態で新しいレストランとして再スタートさせることができます。
たとえば初めて15営業日をクリアした直後の時間外労働1日目でゲームオーバーになり、フランチャイズ化した場合に引き継がれる要素は以下のとおりです。
項目 | 数 |
---|---|
メインメニュー | 1つ |
テーマ | 1つ |
フランチャイズカード | 1枚 |
カード(星マークの営業日) | 3枚 |
つまりフロアプラン(店内レイアウト)やデコレーション、購入していたアイテムなどは引き継ぎされない、いわば弱くてニューゲームのようなやりこみ要素です。
フランチャイズ化されたレストランを新たに開店して更に15営業日をクリアした場合は、追加でフランチャイズカード1枚とカード3枚を選択して更に上乗せしたフランチャイズ化が可能です。
2回目のフランチャイズ化であれば次のレストランに引き継がれる要素は以下のようになります。
項目 | 数 |
---|---|
メインメニュー | 1つ |
テーマ | 1つ |
フランチャイズカード | 2枚 |
カード(星マークの営業日) | 6枚 |
このようにフランチャイズ化を繰り返すたびにフランチャイズカードとカードが蓄積していき難易度が上がるので、時間外労働とはまた違った次元でのやりこみ要素となっています。
フランチャイズのレストラン営業中にゲームオーバーになると、その時点でフランチャイズは慈悲もなく消滅してしまうので非常に挑戦的なモードです。
アイテムの持ち込み
一定日数の営業日をクリアした状態でゲームオーバーになると、開店準備中に配置できるアイテムをランダムで1つ入手できます。
アイテムはレストランの本部のガレージに貯めておくことができ、次のレストランを始めるときに2個まで持ち込んで1営業日目から使うことが可能です。
ゲームオーバー時にもらえるアイテムの候補は、継続できた営業日数の長さによって変化します。
レストラン本部では不要なアイテムを組み合わせてアップグレードしたりリロールしたりすることもできるので、事前に有利なアイテムを用意しておくことで営業開始がスムーズになります。
自動化
開店準備中に購入することができるアイテムの中には「Factorio」で見たようなコンベアを始めとして、調理や皿洗いなどを自動化するための機材が多数用意されています。
自動化ガチ勢になると自分はほぼ立っているだけでも店の経営が成り立つような場合もあり、なかなかロマンのある仕組みです。
ただし機能をよく理解せずに設置してしまうと逆に邪魔なだけになってしまったりするので、上級者向けのアイテムだといえます。
また自動化ではアイテムを組み合わせて使うことが多く購入費用がかさむことから、自動化が本格化するのは時間外労働中になるかと思います。
Steamワークショップ対応
PlateUp!はSteamワークショップに対応しており、クリックだけで簡単にMod導入ができます。
Modには猫耳メイド服のようなかわいい衣装や新料理を追加するものなど、色々あるので更に遊びの幅が広がります。
Twitch連携機能あり
PlateUp!にはTwitch連携機能があります。
https://wiki.plateupgame.com/Twitch
連携をすると以下のような機能で遊ぶことができます。
- 客に視聴者の名前を表示
- 客の注文を視聴者が決定する
- カード選択を視聴者が投票する
ある程度の視聴者数を集められるチャンネルであれば、視聴者参加型になることでより配信が盛り上がることでしょう。
気になるところ
途中セーブができるとはいえ、どうしても1回のプレイ時間は長くなりがちです。
また、客が怒ってしまえば1発でゲームオーバーというシステムであるうえ営業日後半の難易度はかなり高いので、最後まで気楽にダラダラやれるようなゲームではありません。
1度始めてしまえば熱中して楽しく遊べるゲームですが、15日間営業のクリアを目指す場合はそれなりの集中力と体力消費を覚悟する必要はあります。
どんな人におすすめ?
PlateUp!は以下のような人にオススメなゲームです。
- 料理ゲームやタスク管理が好き
- かわいいキャラクターが好き
- ガッツリ集中してやりこみたい
- みんなでワイワイ爆笑したい
基本的にゲームの操作が移動と2種類のアクションだけで完結することから、初心者でもすぐに直感的に動きを理解して楽しく遊ぶことができると思います。
とにかく色々な料理をつくってレストラン経営の忙しさを味わいましょう。
フレンドと一緒にプレイするのにぴったりなゲームで、DiscordなどでVC(ボイスチャット)をつなげているとかなり盛り上がります。
ゲーム後半の営業日とやりこみ要素の難易度を攻略するにかなりの経験を積む必要があるので、あれこれ試行錯誤して何度も繰り返し遊べるゲームが欲しい人にもおすすめです。
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