絵を描くのが好き!でも上手に描けない…と伸び悩んでいる方は沢山いると思います。
私もその中の一人。今回は「絵を上手に見せるコツ」をいくつか挙げたいと思います。
今回は【厚塗り風】メインの記事ですが、コツ自体はどの描き方塗り方でも使えます。
思い悩んだりせず、少し「ラク」をして楽しく絵を描いていきませんか?
※あくまでも趣味で絵を描いている私の個人的な意見です※
まずは心構え
自分の「得意」と「不得意」を理解する
線画が苦手、色塗りが嫌い、そもそもイメージがわかない、影の付け方が分からない…
人によって「得意」な事と「苦手」な事はバラバラです。
私の場合は「線画」がとにかく苦手。
苦手な事を克服したい!完璧になりたい!という気持ちは痛い程よく分かります。
勿論ひたすら毎日絵を描いていたらいつの間にか上手になっていた、という人もいると思います。ですが私の場合は苦手な事だけに執着し、克服しようとしてたら逆効果。
絵を描くのは好きなはずだったのに、いつの間にか億劫になっていった。
そこで私の場合はずる賢く考え、
「どうやったら苦手な物を誤魔化せるか?」
「どうやったら得意な物を伸ばしていけるか?」
「どうやったら上手に見せる事が出来るか?」
と色々チャレンジしてみた結果、主線を描かずに厚塗り風にする事が今の私の妥協案。
皆さんも「自分と相性のいい描き方塗り方」を見つけてみて下さい。
形式にとらわれない
「イラストってラフ描いて線画書いて色塗って仕上げるんでしょ?」
「レイヤーもフォルダもしっかり管理しなきゃいけないんでしょ?」と、
なんとなくな作業テンプレート的な物は存在してる。
確かに実際にそう…なのだけども。
ラフを描き込んでそのまま色を塗り始める人も居れば、
キャンバスを開いたらまず画面一面に色をぶちまけてそこがスタート地点な人も居る。
逆に先に線画に陰陽をつけてから上に色を塗る着色法もある…
プロで提出しなければならない、完成品を売り物にするとなると話は違ってきますが、
個人でやる分には「自分が一番やりやすいように」やるのが一番だと思っています。
実践編 ソフトの機能を駆使して!
実際に私が一つの絵を完成させるまでのメイキングを画像付きで説明していきます。
キャンバスは大きめに!
後々リサイズするので、完成させたいサイズより大きめキャンバスで描く。
こうすると最後にサイズを縮小した時、描き方の粗い部分を誤魔化せるよ。
ラフ段階
私はこのラフの段階にもう色をつけていくので、ある程度バランスを考え描き込む。
(ちなみにモデルは某MMO某種族)
ラフ段階での注意点は…
左右反転は重要
右利きか左利きかでも描き方の癖が出たり、自分の目で見たら「いい!」と思っても反転してみるとバランスがぐしゃぐしゃだったり…
リアルな人間は左右非対称なので、リアル寄りの絵を描きたい人は逆にいいかも。
傾きやパーツを加えてみる
女性なら顔を傾けるだけで可愛さを少し作れるよ。
傾く方向を変えたりちょこっとパーツを入れると動きが出てまた違う雰囲気が出たり。
真正面から描くと私はどうも直立不動感が出てしまう。
塗り段階
下塗り
この辺りはこんな色にしようかな?て感じで超ざっくり適当に。
塗る順番・ブラシ設定
厚塗り風なので線画は描きません。下塗りの上からこのまま着色していく。
私が使っているブラシは筆ブラシの水分量・色伸などを弄って元の色を引っ張っていく感じの設定にしてます。
↓主にこの3つを使用↓
塗る順番も人によって差があると思います。
目は最後に仕上げる!という人もいれば、最初に目を描かないとモチベがあがらない!という人も。(私は後者です)
なのでまず私は瞳から完成させていく。
その後はなんとなく「奥から順番」に。
影に関しては私は拘りはないですが、影側から塗っていく事が多いです。
(実際色々な部分を調整しながらなので順番自体はごちゃごちゃ)
とにかく自分のやりやすいようにやるのがベストかと思います。
塗り込み
ただもうとにかく混ぜて塗って混ぜて塗って…と塗り込んでいきます。
ラフ線は消していく(影として使う)感覚。
塗っている途中で「下手だなあ」と思わずに、完成像だけを思い描き続けて下さい。
肌色が具合悪そうですが、後で調節するので問題なし。
描き込み
なんとなくな質感が出たら、明暗をつけていく。
明暗の個人的コツは、「明るい」「暗い」は極端ぐらいの方がいいです。
ただひたすら「線を描く感覚で」「一本一本」描いていく。
厚塗り風だと「主線に縛られない」ので修正や調節が簡単です。
この時点で洋服のリボン部分は完全に忘れていましたが、後から追加する事に。
細かい部分は大事
髪の毛の毛束感、耳カチューシャのもふもふ感…
ベタ塗りだとこういった質感を出すのが難しい。
あほ毛も適度にあった方が不自然感は出ない気がする。
同じ画像を合成してみる
ある程度出来てきたら、その時点の絵をpng保存。
そのpng画像の解像度を上げて下げてを繰り返すとこんな風にぼやけてくれる。
ブラシで綺麗にぼかせるならそれでもいいと思う。
このぼかしたpng画像の方を新規レイヤーとして取り込み乗算合成していじってみる。
ハイライトは生命が宿る
髪や瞳は勿論、唇や頬その他、「リアルじゃそんなになってないよね?」って思うぐらい大袈裟でもいいと思う。
私はぽつぽつとつけるのが好き。これは付け方によっては水に濡れている感も出ます。
背景段階
雰囲気で攻めよう
綺麗な背景なんて描けないよ~風景とか苦手だよ~と思う人もいると思います。
私もその一人です。ただ後ろが真っ白なままだと、なんとなく味気無い。
こういう顔メインの絵は正直背景は描き込まなくていいと思っています。
全体の雰囲気さえまとまるのならば。
今回の背景色はこんな感じのグラデーション的な。
ここに黄色のランダムな大きさのぽちぽちを描いてぼかした後、
そのレイヤーをコピー&上下左右反転させて色彩をいじって白くしました。
あとはキャラクターの周りを緩く発光縁取りした。
というのも私の場合境界がないと背景とどうも一体化しすぎてしまう。
↓発光縁取り・有り無し比較↓
仕上げ段階
レイヤーの合成モードを駆使
よく写真などでも「フィルター機能」があります。
私の中の感覚では「全体の色統一感」として仕上げの一部として使っています。
saiの場合はレイヤーの「合成モード」。
今回使う色はこんな感じのグラデーション風。
肌色が具合悪そうなのでそのカバー&誤魔化しも含めて…
これを色々な合成を試してみるとこんな感じになる。
私のはよくオーバーレイを使うけれど、今回は陰影の30%にしてみた。
ちなみに合成する色を変えるとこんなにも印象が変わるので色々試してみて。
完成…?
…と思う前に!
そのイラスト、本当に完成ですか…?
一日寝かせてみる
「この絵よく出来たな~」と思っていても、次の日見たら「あれ、こんな絵だっけ?」「ここもっとこうした方がよかった…?」と思う時があるかも。
キャンバスでずっと同じ絵を見ているわけだから、目が脳が見慣れてしまうのだ。
なのでより納得したい方は数日経ってまた調整をしてもいいかも。
色々な端末から確認してみる
私はメインモニターはゲーム用に調整・サブモニターはノーマルなので、モニターをかえるだけでイラストの色が結構変わります。
モニター以外でもスマホや印刷等して確認すると色味の変化が分かるぞ。
色彩調整もちゃんとしよう。
完成!
最後にリサイズし、完成した絵がこちら。
雰囲気はまとまっているんじゃないかなあ、と。雰囲気は…。
ちなみに今回の同じラフを、線画ベタ塗りが苦手&嫌いな私がやってみるとこうなる。
こ、こいつぁひでぇ…
同じラフでも塗り方や描き方を変えるとこんなにも変わるってすごい。
最後に
自分が一生懸命描いて完成した物は、誰に下手だと言われようが頑張った自分を自分で褒めてあげてほしい!&自分で完成させた絵を大切にしてほしい!
(これは自分への戒めもある)
本記事は事はあくまでも一個人の考え&やり方で、勿論これが全てではないです。
プロのメイキング動画やブラシ設定などは探せばいくらでもあります。
イラストに関しては「正解」も「不正解」も存在しないと思っている。
色々試して「自分に合った描き方・設定・仕上げ方」を見つける事からが上達への道かな?とも思います。
楽しみながらずっと絵を描いていきましょう!
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